保育士サポートナビ・児童養護サービス

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児童養護サービスとは、家庭環境や家族の状況によって、
家庭での児童養育が難しくなった児童を保護し、
児童の自立や家庭との再統合を援助することです。

 

一般的に、児童の成長発達に必要な日常的なケアは、
児童の親、又はそれに代わる保護者によって、
それぞれの家庭で行われます。

 

ですが、家族の状況や家庭環境、児童自身の病気や障害、行動などの問題がある場合、
家庭がこのような児童の養育の責任をすべて果たす事はとても難しいです。

 

そこで、家庭での児童養育を公的に支援したり、
状況に応じて補完したり代替することがあり、
それを「社会的養護」といいます。
保育士になるには知っておきたい情報です!

児童養護の意味

児童が健全に成長するためには、
児童が成長し発達する過程において、
大人の愛情に基づく働きかけがとても大切です。

 

そして、その働きかけとは、児童の生命を維持し、
健康的な生活を営むための保護的な関わりであり、
大人との関わりを通じて社会性を養い自立する力を養うための働きかけです。

 

つまり児童養護とは、日常生活の色々な場面で行われる
児童の発達過程への一連の援助や、
児童の自立を支援するための大人からの働きかけの事を指します。

 

(1) 家庭養護

 

「家庭」は、児童が成長するための基本的な場です。

 

その家庭で、保護者をはじめとする児童の家族によって行われる児童養育を
「家庭養護」といいます。

 

そして、発達途中の児童にとって家庭とは、以下のような場であるといえます。

 

 ・児童の生命が保護される場。
 ・児童が安心して生活することができる場。
 ・安定した親子関係を基盤に家族との信頼関係を築く場。
 ・家族との信頼関係を築くことで、児童の人格形成が促され、
 児童が人間関係や愛情を学習することができる場。
 ・家族との人間関係を通じて児童が社会性を養う場。
 ・児童が自立に向けての準備を行う場。

 

このような「家庭」で行われる家庭生活の安定性や安全性は、
児童の成長にとても大きな影響を与えます。

 

特に、乳幼児期・児童期を通しての家庭環境は、
児童自身のその後の人生を左右するといっても過言ではありません。

 

ですから、家庭養護は、児童の親、または親に代わる保護者によって
児童自身のより良い発達を促すことができるよう、
適切に行われることが重要です。

 

児童の養育は、児童の保護者の責任において行われるものです。

 

それは、「児童の権利による条約」にも明記されています。

 

しかし、保護者がすべての責任を負い、何の不安もなく適切な児童養育を行うのは難しいこともあります。

 

そのときに、公的な支援体制が求められます。

 

公的な支援体制については、「児童福祉法第2条」に明記されています。

 

 ・児童の権利による条約第18条

 

  「締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての
  認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、
  児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。児童の最善の利益はこれらの者の
  基本的な関心事項となるものとする。」

 

  「締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、
  父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たり
  これらの者に対して適当な援助を与えるものとし・・・(略)。」

 

 ・児童福祉法第2条

 

  「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、
  児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」

 

(2) 社会的養護

 

家庭養護を公的に支援し、補完し、代替し、
そして、児童の状況に応じて児童への治療ケアを行うことを「社会的養護」といいます。

 

 ・補完的養護

 

  補完的養護とは、児童養育の一部と通園型の施設が行うものです。

 

  障害をもつ児童のための治療や教育、保護者の就労などのために、
 家族に代わって保育を行うサービスのことです。

 

 ・支援的養護

 

  支援的養護とは、保護者の抱える生活課題や
 児童養育上直面している困難に対応するものです。

 

  家庭での児童養育を継続できるように援助するもので、
 たとえば、出産に際しての支援や母子家庭等の保護と自立への支援、
 地域における養育相談、緊急時の対応などを行います。

 

  支援活動や相談活動を行うことで、児童養育上の問題を早期に発見し、
 対応することができます。

 

  早期に発見し、対応することで、問題が深刻化することを未然に防ぐことができます。

 

 ・代替的養護

 

  代替的養護とは、家庭での児童養育が難しい家庭の児童に対する
 代替的養護を行うことです。

 

  代替的養護を行う場としては、
 乳児院・児童養護施設等の生活型の施設による「施設養護」と、
 里親による「家庭的養護」があります。

 

 ・施設養護

 

  乳児院: 乳児院とは、乳児を養育し、
      退院した者についての相談等の援助を行う施設のことです。

 

       この場合の乳児には、安定した生活環境の確保などの理由により、
      特に必要な場合は幼児も含みます。

 

       乳児院の設備や職員の配置は、
      児童福祉施設の設備及び運営する基準によって定められています。

 

  児童養護施設: 児童養護施設の養護児童の対象は、
         基本的には乳児を除いた児童で、保護者のいない児童、
         虐待やその他環境上養護を必要とる児童となっています。

 

          ですが、安定した生活環境の確保等の理由により、
         特に必要な場合は、乳児も入所させることができます。

 

          また、退所した者への相談等を含め、
         自立への援助が行われます。

 

          児童養護施設の設備や職員の配置は、
         児童福祉施設の設備及び運営する基準によって定められています。

 

 ・家庭的養護

 

  里親: 里親は、児童福祉法第6条の4に定められています。

 

   ○児童福祉法第6条の4
    里親は、養育里親及び厚生労働省令で定める人数以下の要保護児童を
    養育する事を希望する者であって、養子縁組によって養親となることを
    きぼうするものその他のこれに類する者として
    厚生労働省令で定めるもののうち、
    都道府県知事が第27条第1項3号の規定により児童を委託する者として
    適当と認めるもの。

 

      そして、2008年の児童福祉法改正によって、里親は、「養育里親」と、
     「養子縁組希望者他」に分類されました。

 

      養育里親のうち、一定の要件を満たした者が「専門里親」と呼ばれ、
     養子縁組希望者他の里親には、「養子縁組里親」と「親族里親」があります。

 

      親族里親とは、扶養義務のある祖父母やきょうだいなど親族が、
     児童を養育する場合の里親です。

 

・グループホーム

 

グループホームは、「施設養護」と「家庭的養護」の中間的な養護形態のものです。

 

グループホームでは、地域の独立した家屋で、6人くらいの児童を養護します。

 

この取り組みは、一部の養護施設では先駆的に以前から実践されていましたが、
本格的に推進されるようになったのは2000年の「地域小規模児童養護施設」が、
国の事業として制度化されてからです。

 

「地域小規模児童養護施設」が推進されてからは、
より家庭的な環境で児童を擁護するため、施設の小規模化が進んでいます。

 

また、児童福祉法第6条の3に規定されている
「児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)」と、
「小規模住居方児童養育事業(ファミリーホーム)」についても、
家庭的な雰囲気の中で要保護児童を養育する施設の一つになっています。

 

 児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)とは:

 

   児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)とは、
  義務教育の終了後、児童養護施設や児童自立支援施設などを対処した児童などが、
  職員と起居を共にしながら生活面での相談や援助をうけつつ自立を目指す施設で、
  グループホームの形態になっています。

 

 小規模住居方児童養育事業(ファミリーホーム)とは:

 

   小規模住居方児童養育事業(ファミリーホーム)とは、
  要保護児童の養育経験がある者などの家庭に児童を委託し、
  5〜6名の要保護児童の養育を行うものです。
   小規模住居方児童養育事業(ファミリーホーム)は、
  一部の自治体が一定の条件を備えた里親を指定し、4名以上の児童を
  委託して行っていた事業の実績を踏まえて2008年の児童福祉法改正時に創設されたもので、
  家庭的養護の一つとして位置づけられています。

 

・治療的養護

 

児童自身の行動の問題や疾病、障害などの治療や教育を、
生活型の施設において行うものを「治療的養護」といいます。

 

児童養護を広義に捉えれば、社会的養護を必要とする主な原因となっているものが
児童自身の問題や疾病、障害などであったとしても、
児童にとっては施設が日常生活の場であって、治療的養護と同時に、
児童が育つための家庭的機能を代替する役割を施設が担っているということになるので、
治療的養護も、児童養護サービスの一部であるということができます。