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パーマネンシープランニング

児童のパーマネンスをどのように保障するかは、
児童養護サービスを決定し実行する際、常に大きな課題になるものです。

 

・児童のパーマネンスとは

 

児童と児童を養育する者、児童が育つ家庭的環境との永続的(恒久的)な関係を、
児童のパーマネンスといいます。

 

そして、児童への養護サービスを検討し、決定する際、
児童のパーマネンスを最大限保障する方向で作成される援助計画を
パーマネンシープランニングといいます。

 

1900年代の初めごろから、欧米諸国では、
子どもにとって、最も良いと思われる家庭的環境を重視した
児童養護サービスが展開されました。

 

具体的には、施設の縮小化や廃止が進み、
児童養護サービスを必要とする児童の多くが、
里親家庭に委託されるようになったのです。

 

ですが、里親委託がすべて順調に進むわけではありません。

 

当時の児童養護サービスのシステムでは、
里親家庭と児童との関係不調などにより、
里親家庭をいくつも転々とするDrift児童の問題が深刻化しました。

 

そして、養育者や養育環境が変わることによって、
児童の発達に与えるマイナスの影響が指摘されました。

 

このようなことから、児童の安定した生活や発達を保障するための研究がされ、
そこからパーマネンシープランニングが生まれました。

 

児童にとっても、最も永続性の高い養育者・家庭環境は、
児童の実の家族であり、実の家庭であることに変りはありません。

 

ですから、パーマネンシープランニングでは、
まず、児童がそれぞれの家庭において適切な養育を受けられるように
援助していく事を第一優先に考えなければなりません。

 

そして、なるべく親子分離という方法をとらずにすむような
パーマネンシープランニング(援助計画)を立てていきます。

 

しかし、育児放棄(ネグレクト)を含む児童虐待などによって、
家庭環境や養育者の状況が、
児童の成長発達にとってマイナスの影響を与えることが大きいというような場合で、
児童の最善の利益のため家庭との分離が必要であると判断されれば、
可能な限り生活環境を変えず、家庭との分離期間を短期間にとどめるための
パーマネンシープランニング(援助計画)が立てられることになります。

パーマネンシープランニング(援助計画)の内容

パーマネンシープランニング(援助計画)の具体的な内容としては、
実親との交流を保ちやすい環境での短期里親委託や、
治療機能を持つ施設への自動の短期入所など、
短期間のうちに児童自身や家庭が抱える問題を解決し、
児童を家庭復帰させることを目的とした措置がとられます。

 

それでも家庭や保護者の状況がよくならず、
児童と家庭との分離が長期に及ぶと予測されたときや、
明らかに実親に養育意思が認められないときは、
「養子縁組」によって法律的に家族関係と家庭環境を保障することを考えます。

 

児童の状況などから、適当な養子先を得られないときは、
里親への長期委託を検討します。

 

里親委託できない児童の場合は、
施設入所という措置がとられます。

 

日本の現状では、要保護児童に対する養子縁組が里親制度を利用して行われています。

 

ですから、養子制度と里親制度が混同されてしまっているという現状があり、
里親に対して養子縁組を前提に児童養育を行うもの、
或いは養子縁組と同じように
児童の自立までの長期間の養育を担うものというイメージが強くあります。

 

しかし、本当のところは以下のようになっています。

 

 養子縁組: 児童が成人し自立した後も継続して「親子関係」を公的に保証する。

 

 里親委託: 当該児童にとって社会的保護が必要な一定の期間、里親が養育する。

 

近年は、欧米諸国でも里親不足の傾向にあります。

 

日本でも同様で、児童に適切な里親を確保することが難しくなっています。

 

そこで、児童擁護サービスを必要とする児童を、
同居家族以外の親族に預け、
その親族を里親認定するという制度「親族里親」が取り入れられるようになりました。

 

日本でも、2002年から「親族里親」の制度が取り入れられ、
親族による児童養育を公的に支援しています。

 

このようなパーマネンシープランニング(援助計画)の実施では、
地域社会での子育て支援の体制作りが最も重要な課題になります。

 

それは、実親、親族、養親、里親が、
適切な児童養育を行うことができる環境と支援体制が整うことにより、
児童が家庭的な環境を失うことなく、
養育者との永続的(恒久的)な関係を保つことが可能になるからです。